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制作裏話
「大規模なRPG MV」の制作裏話などを書いています。少しずつ、思いつくままに書いているので、あとで大幅に修正する可能性があります。
実際にゲームを作った人にしかわからない専門的な話が多いです。恥ずかしくなったら消します。
制作中ですので、しばらくおまちください。
「大規模なRPG MV」には原作がある
2020年4月11日にRPGアツマールに公開しました「大規模なRPG MV」(以下、MV)は、「ゲームを作成して共有するサイト Rmake」で、すでに公開したゲーム「大規模なRPG」(以下、原作)を、RPGツクールMVというソフトで作り直したものです。
RmakeとRPGツクールMVではゲームの作り方が違います。
すごく簡単に言うと、RmakeのゲームはFlash Playerを使ったゲームであり、Rmakeのサイト上でゲームを作りそのまま公開します。
対してRPGツクールMVのゲームは自分のパソコン上で自分で購入したソフト「RPGツクールMV」を使ってゲームを作り、ゲーム公開サイトにゲームデータをアップロードして公開します。私は現在、RPGアツマールのみに公開しています。
なんとかしてRmakeで作ったゲームをダウンロードできないかと考えましたが無理そうなので、RPGツクールMVで一から作り直す(移植する)ことにしました。自分のパソコンを調べたところ、移植開始は2018年6月22日のようです。
原作「大規模なRPG」の制作話
MVの話の前に、原作について書きます。ここでは主にRmakeでの制作で苦労した点などを書きます。
はじめてRmakeの存在を知ったのは2012年です。無料でゲームが作れるのか!と感激した覚えがあります。そこで投稿者様のゲームをしているうちに自分も作ってみたいと考えたのでした。右も左もわからない状態で「試しに作りました」的なゲームをいくつか公開した後、長いゲームを作りたいと考えたのでした。
原作の公開日は2014年11月23日でした。当時のデータを見ると、制作開始は2014年2月17日。
↓公開2ヶ月ほど前に書いたRmakeブログの抜粋です。
タイトルは相変わらず決まっていません。
長いRPGなので、専用wikiを作って
簡単なキャラ紹介や地図などを載せたいです。
あとストーリーがややこしいので、自分用に年表を作りました。
これも載せるかもしれません。
少しずつ完成に近づいているのですが、
長いRPGなだけに、もし致命的なバグに気づいていなかったら…
と思うと怖いです。
「これいいかも」と思ったイベントを後からどんどん付け足しています。
ゲームを最後までプレーしても、気づいてもらえないイベントが
大量発生しそうな予感がします。
なるべくプレイヤーの行動を縛りたくないので、
テストプレーしながら、いろんな行動パターンに合わせて
イベント内容を少しずつ変えて行く作業をしています。
無駄な気もしますが、自分が納得いくまで作っていきます。
エンディング画面は、ちょっと頑張って
キャラのイラストを自分なりにかっこよく描こうと思います。
結局、原作のタイトルはいいのが思いつかず、仮につけた「大規模なRPG」のままにしました。で、移植作品もタイトルの後ろにMVをつけただけ。手抜きもいいとこですが、わかりやすくていいかも…と最近になって思いました。MVのエンディング画像は原作で使ったものを使い回しています。絵を描く余裕がなかったもので…。
キャタクラーや地名は適当に決めました。地名はパソコンのキーボードを適当にガチャガチャ叩いて、たまたま出てきた文字にしたのです。キャラクター名は主人公なら光のイメージとか、双子の弟は対照的に雨とか、その他はとりあえず宝石の名前にしました。
今気づきましたが、これまで作ったゲーム、タイトル画面にキャラクターの絵を全然載せていませんね。これじゃどんなゲームかわかりにくいですね。
↓公開後しばらく経ってから書いたRmakeブログの抜粋です。
私が「大規模なRPG」を作ろうとしたきっかけは
「Rmakeには船を使って移動するゲームがないなー」と思った事でした
(あるけど気づいていないだけかも)。
正式にマップを作る前に小さなテスト用マップを作り、
船を接岸できる海沿いの平地すべてにイベントを置いて動作確認しました。
一つのマップの大きさは100×100。
それを城、城下町、フィールド、洞窟など種類に分けて10のマップ。
最初に作ったのは当然ながらスタート地点のフェイワロー城です。
フェイワロー城だけで一つのマップを使い果たしました。
フィールドとモンスターを作ったら、次はストーリーです。
とりあえず仮として、王様から主人公(当時、職業は未定)に
「魔王が復活するから倒しにいってくれ」と命じるだけにしました。
そこからいろいろ設定を加えました。
加えていくうちに、だんだん複雑になったので、紙に書いてまとめました。
船に乗るスクリプトとマップのループ機能が欲しかった…。
上陸可能な地面の隅々までフラグを立てるのは、さすがにしんどかったです。
今見直してみると、10のマップの中には、まだ空白の部分がありました。
これなら1つ2つ、ゲーム進行とは関係ない、サブイベントを追加できる…。そう考えました。
マップの数や広さを制限いっぱいまで使えば、こんなに大規模なRPG(タイトルのままだ)が作れるんだなと
実感した次第です。
今読み直すと、最初のきっかけは「海に入りたかった」ようですね。やっぱり陸地だけだと長いRPGは作れないと考えたのでしょう。ところがRmakeには陸と海の概念がなかった?のです。なので、陸から海に出る時、またはその逆をする時にいちいちキャラクター画像やBGMを変更するフラグを立てていました。本当はもっといい方法があったかもしれませんが、とうとう知ることはできませんでした。
陸と海の概念がないだけでなく「ループ機能がない」とブログに書いてありますね。マップの端から端までつなぐ時も同様にフラグを使っています。フィールドだけで1,000以上のフラグを使っています。
あと、マップ画像を見ると白っぽい四角(イベント)が草原に点在しています。これはモンスターが出没するイベントです。接触すれば必ず戦闘になるのではなく、乱数を使って一定の確率で戦闘になるようにしています。当時いただいた感想で「エンカウント率が高すぎる」と言われていました。
原作にはマイマイ地方がありません。レヴェラ北西の塔より北は岩山のほこらと海だけです。DQのカジノ的な遊び要素の多い場所が欲しいなーと思い、MVには別で作ったゲーム「ハイパー銭湯」を、ドラゴン山も含めてそのままブッ込んだのでした。
ストーリーを作っていくうちに「マルチエンディングで真のクリアまでには最低3回プレーが必要」などというとんでもないゲームにしてしまい、その上なぜかクリアしてもうまく引き継ぎできないケースもあり、いくつか苦情が来ました。相当な時間を費やしてプレーしていただいた方には申し訳なかったのですが、ゲームに関する機能のほとんどをスクリプトに詳しいユーザー様からコピペさせていただいていた自分には、どうすることもできませんでした。10のマップの中に空白があると書いてあります。そして2017年にはサブイベントも作ろうとしています。実際にいくつか作ったのですが中途半端に終わってしまったものがほとんどです。うまくいったと思ったのは唯一、氷の洞窟の隠し部屋くらいです。
ちょっと困ったのがBGMでした。
一つのマップに追加できるBGMは5つだけ。フィールドから城、洞窟、村、ほこらなど
異なるBGMの場所に行かなければならないし、さらに戦闘用や乗り物に乗った時のBGMも
用意する必要があります。これだけのBGMをフィールドのマップに収める事はできません。
そこでフラグを使いました。
たとえばお城に入る時、お城に次のようなイベントを用意して
プレーヤーがお城に入ると同時に「城BGM開始」のフラグを立てるようにするのです。
フィールドからお城へ入るスクリプト
warp(35113, 1, 14);setFlag("城BGM開始", true)
お城へ入ってから自動的に開始するスクリプト
#開始方法は「自動的に開始」、有効条件は「getFlag("城BGM開始")」です。
fadeOutMusicFadeIn(400, 223451, 400)
setFlag("城BGM開始", false)
これならフィールドのマップにお城のBGMを追加する必要はありません。
皆さん既に知っているかもしれませんが、私は思いつくまでに時間がかかりました。
このブログを読み返してみて「?」になりましたが、要はプレイヤーがマップをまたいで移動する際、移動直前か移動直後のどちらでBGMの切替作業をするかってこと…ですかね。
確か、移動直前にBGMを切り替えるようにした方がスクリプトが楽に作れるのですが、それだと1マップに設定できるBGMの制限数をすぐ超えてしまうので、移動先のマップに入ったすぐ後にBGM変更のスクリプトを置いた…ってこと…。なんだか書いていてわけがわからなくなった///
あと、セーブできるのは1つだけです。テストプレーでもそれは同じで、それはもう数え切れないくらいプレーしました。
このころからRmakeでの活動に限界を感じていた私はブログに「ツクールが欲しい」と書いています。で、実際にツクールMVを買ったわけです。一番高い時に。
↓2015年11月のブログ
2015年7月6日、「大規模なRPG」プレー人数が1,000人を突破
2015年10月4日 プレー数7,998
2015年11月11日 プレー数13,885
なんで急に増えたんだろ
あとで知ったのですが、プレー数が増えたのはFlashゲームを紹介するサイト様に載せていただいたからでした。これがきっかけで感想をたくさんいただけました。ありがたかったです!
因みに、2020年7月現在、プレー数は30,833ですね。おおっ、増えてる。
当時のRmakeでのゲーム作りは、いろいろ制限があったけど楽しんでいたようです。「制限があったからこそ、いかにその中でうまくゲーム作りをするかを考えるのが楽しい」とブログなどに書いていた記憶があります。Rmakeには本当に感謝!です。
ここからは、MVでの制作裏話に入りたいと思います。
「大規模なRPG MV」の制作話
RPGアツマールに公開したゲームは他に「ハイパー銭湯」「栗ひろい」「虫の塔」がありますが、すべてRmakeからの移植作品です。3番目に「虫の塔」を公開したところで「こうなったら"大規模なやつ"も移植したい」と考えました。考えましたが、とてつもなく大変な作業になることは分かっていましたので、制作開始したものの、なかなか手をつける決心がつきませんでした。デフォ素材にないモンスター画像、それもデフォ素材と似た雰囲気の画像を用意できるのか。
膨大なフラグ(ツクールではスイッチと呼ぶ)をどうやって管理するのか。
ゲームクリア後の引き継ぎ機能はどうやるのか。
いろいろ悩みました。
●素材●
モンスター素材については、結局、他サイト様からお借りしたのは1つだけ。おサルさんのモンスター画像を探したのですがどうしても見つからず、とうとうキャラクタ画像を改変して済ませてしまいました。
キャラクターの歩行画像はいくつかお借りすることができました。詳しくはゲーム中の「素材提供」に載せました。
キャラクターの顔の画像は自分で用意できなくもなかったのですが「ツクール内で生成できるんだったら、そっちが楽だ」と考えてしまい、そのようになりました。原作のを使い回したMVのエンディング画像をみた方は「あれ、全然違う!」と思ったかもしれませんね。レインの髪は本来、束ねているんです。
●マップ●
一応この世界は丸い、ということにしています。原作にしたがって作ったのですが、よく考えたら寒いのは北だけとは限りませんね。地球と同じく太陽の周りを回っているのだとしたら、北と同様、陽の当たりにくい南の果ても寒くないとおかしい。何にも考えていなかったのがバレてしまいます。
●キャラクター●
主人公のシャインは基本しゃべりません。本当はしゃべらせた方が、話を作る側としては楽です。でもそうしなかったのは、参考にしたゲーム、DQの主人公がしゃべらないのもありますが、「基本いい奴だけど何を考えているのかわからない」キャラにしたら面白い、とも考えたからです。
レインはシャインの双子の弟です。双子の設定だと性格が正反対なことが多い(気がする)のですが、特に何も考えず、その通りにしました。双子ならではのストーリーをもっと作ればよかったかもしれません。今後作るかも。
アメジストはこのゲームで3番目に仲間になります。元気のいい女子高生みたいなイメージです。パーティーの構成はDQ2をそのまま持ってきました。DQ2では3人目を仲間にする前にちょっとした問題がありました。なので、真似と言ってはなんですがイベントを作りました。レインと同様、彼女をメインにしたイベントを一つくらいは作りたかったです。
エオリアンはシャインよりちょっと年上の女性兵士です。こういうキャラクターを自分のゲームで出したかったのと、主人公が最初に一人で旅立つ理由が欲しくて作りました。彼女にはいろいろと過去の設定があるのですが、それは最初に決めたのではなく、原作を作りながら少しずつ決めていきました。
オニキスには最初、名前すらありませんでした。「魔王の復活を予言した魔法使い」くらいの存在です。初登場を牢の中にしたりしているうちに、いつの間にか「ちょっと乱暴だけど真面目で友達思い」になりました。
モブキャラにも個性を持たせています。まあ必要ないかもしれませんが、「◯◯に何々がある」だけをしゃべらせるのはつまらないかなと思ったからです。制作途中に名前を与えたモブキャラもいくつかいます。フェイワロー城の魔法使いのキツネとタヌキなどです。個人的に気に入っているキャラクターはヨンロウです。学生時代や就職後など、いろいろ失敗させていますが、彼が充実した人生を送れるよう祈ります。
●BGM●
さまざまなサイト様からたくさんのBGMをお借りしましたが、自分で用意したものもあります。
ゲーム中にキャラクターがピアノ演奏する場面があります。ショパンのエチュードop25-1。あれは私が実際にピアノ演奏したものです(原作では無料の音源を使いました)。音楽の記録媒体のMDが全盛期だった頃、趣味でピアノを弾いていました。当時の私は日頃から「いつかピアノが弾けなくなるかもしれない、今のうちに録音しておきたい」と思っており、おねだりして誕生日プレゼントにラジカセを買ってもらったのです。中年のおばさんになってしまった今、ほんとにピアノが弾けなくなってしまったので(すぐ指が疲れてしまう)当時録音しておいて本当に良かったと思っています。ピアノの前にマイクをおいて録音しました。この曲の最初と最後に「ギギギッ」という音が聞こえますがこれはペダルの音です。ピアノの手入れをあまりしていなかったので…。MVでゲームを移植するにあたり、その時録音したカセットの音源をCDに落としました。はっきり言ってヘタクソですけど、キャラクターの設定と合っていて、これはこれで良しとします。
ピアノ曲は他にもあり、リストの「ラ・カンパネラ」が流れる場面もあります。さすがに難しすぎて弾けないので「GarageBand」という、パソコンに初めから入っていた楽曲ソフトを使いました。ファンタジーの世界に現実のクラシックを入れるとか、もうむちゃくちゃですね。
●ストーリー●
原作はゲーム制作と同時進行でストーリーを作っていたので、ちょっと無理のある点がいくつかありました。MVに移植する際には改善…したつもりですが、まだ足りない部分があるかもしれません。というか、あると思います。
●引き継ぎ機能●
上にも書いたように、このゲームは真のクリアまでに最低3回はプレーする必要があります。
原作では「グローバル変数」というスクリプトを使って、クリアしてタイトルに戻ってもデータが引き継げました。ところが移植開始からしばらく経って、ツクールではタイトル画面に戻ると、何もかも1からになってしまうことに気づいた私は焦りました。
クリア後、タイトル画面に戻すことをあきらめて、2週目以降は真っ黒な画面から始めることにし、引き継ぎにはスクリプトを使うことにしたのです。しかし難しいスクリプトなどよくわからない私は、ネットで調べまくって、いい方法がないか探しました。
ようやく見つけた「TkoolMaterials 「ツクマテ」」様への投稿を参考にさせていただきました。これがなかったらゲームが成立しないところでした。
●システムのいろいろ●
RPGアルマールで他の方のゲームをいろいろ試してみました。すごく上手いキャラクターイラストや色とりどりの綺麗なフレーム、なんか複雑な戦闘システムが盛りだくさんでした。どれも素晴らしかったです。
しかし…今の所、自分もこうしたいとは思いません。ツクールMVのデフォルトのものが一番見やすくてわかりやすいと思ったからです。市販のカレールーにケチャップとかチョコとか入れず、そのままが一番美味しいのと同じで、メーカーさんが一番ベストな状態にしてくれているのだと考えています。考え方が古いですかね…。